大好きなキミへ
笑っ、てる


「星ー?何しとん?」

「あ、英里」

「おっ、これはこれは隣のクラスのイケメン君相沢君やん」

「…前川、か」

「隣のクラスやのに名前覚えてくれてるん?うれしいわぁー」

「…別に、じゃ上原」

「あ、うん。またね」


そう言って相沢君は野球部の練習に戻って行った。

不思議だなー、とか思ってると隣で英里がもの凄い顔をしていた。


「なんやアイツ…。星、アイツに好かれとんちゃうん?」

「え?またまた…英里ってば口も達者だよね。」

「褒め言葉ありがとさん。でもあたしはウソついてへんで」

「……違うでしょ、うん。違う。あれ?じゃあなんで下の名前聞かれたんだろ…。あ、思い出せなかったからか」

「自問自答すんなや。ってか下の名前も聞かれたん!?こりゃ間違いないな」


横でなんだかブツブツ言ってる英里をほっときながら、私はあの笑顔を思い出した。

(笑うと、やっぱかっこいーんだ…)

< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop