The Third Time's Lucky
「それはそうと、俺と霞澄さん来月頭1週間出張だから、留守番頼むよ」

起源をたどれば江戸時代にまで遡る老舗呉服メーカー『里谷』、それがわたしの家。

わたしはいわゆる令嬢というものだけど、一般的にイメージされる「お嬢様」や「お坊ちゃま」は親の嫌うところで、そうならないようわたしや狭霧は教育されてきた。

その『里谷』の社長がお母さんで、お母さんの秘書がお父さん。

ちなみにお父さんは婿養子。

代替わり当時お母さんはまだ30歳ということもあって、周りには陰口を叩く人もいたけど、お父さんとお互いを支え合って遺憾なくその手腕を発揮している。

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