The Third Time's Lucky
「ついに、北斗さんと付き合いだしたの!?」

「水面ちゃん……」

朝、わたしが自分の席に座ったとたんに駆け寄ってきたのは、親友の伊藤水面(いとうみなも)。

中学から一緒で、アナウンサー志望なだけあって情報通。

「水面ちゃんまでそんなこと言う……」

「だって、北斗さんが持ってたお弁当、白雪が作ったんでしょ?」

眼鏡の奥の瞳を輝かせながら水面ちゃんは詰め寄る。

「北斗君に頼まれたの、女の子除けのために付き合ってるフリをしてほしいって」

わたしは家族にしたのと同じように、昨日の会話を説明した。

「白雪、直球かわすなんて相当だよ」

「直球?野球なんてしないけど」

「絵に描いたようなボケをありがとう」

「鈍い」とか「ボケ」とか、みんな何なの……

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