The Third Time's Lucky
「そんなわけで、白雪は『付き合う』ってことに対して極端に考えすぎてたのよ」

七星は白雪が相談してきたことを俺に話した。

「狭霧め……」

「ちょ、ちょっと、狭霧だけのせいじゃないでしょ……」

春休み、赤い顔をして帰ってきた七星を見て、すぐさま狭霧を呼びつけ延々と説教したのを思い出す。

シスコンだとは思わないけど、これでも双子の兄、嫉妬心は人並みにある。

母さんが嬉しそうな顔で炊いた赤飯を、俺だけ食べなかったことは語り種になっている。

それ以上に、先を越されたのが悔しかったっていうのもあるけど……

その出来事が障害の一端となっていたのかと思うと、さらに面白くない。

「とにかく、一応誤解は解いておいたから、後はもう一度気持ちを伝えることだね。1回目のように中途半端じゃなく、2回目のように成り行きじゃなくね」

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