The Third Time's Lucky
「からかってる?」

俺が白雪を好きなのは知っているはずだけど……

だからこそ、応援してくれているわけだし。

「いいえ、事実を言ったまでです。北斗さん、白雪のこと言えないくらい鈍感ですよ」

「俺が?」

生まれてこの方、「鈍感」なんて言われたことはない。

「そうです。『話』って聞いただけで、白雪関連だって決め付けるんですから」

「白雪についてじゃないなら、話したいことって何?」

なかなか核心に触れない水面の態度に少々苛立ってきた。

「誰もいない空き教室に女が男を呼んで話したいことって、だいたい決まってるじゃないですか」

「その展開」を予想していなかった俺は、水面に言われたとおり『鈍感』なのかもしれない。

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