The Third Time's Lucky
「気のせいかな……周りからジロジロ見られてる気がする」

家を出てからずっと感じる視線。

学校に近づけば近づくほど強くなる。

「気づかないのか……」

「気づかない白雪が鈍感ちゃんなのか、気づかれないようにしてる北斗がすごいのか、どっちだろうね?」

狭霧と七ちゃんが呆れ気味に言う。

「手、ずっと繋いでたよ」

「へっ……嘘!?」

七ちゃんに言われて手を見ると、北斗君の手としっかり繋がれていた。

「北斗君は気づいてたの!?」

「もちろん。言っちゃうと恥ずかしがって離しちゃうかもしれないから、言わなかっただけ」

「は、恥ずかしいよ……」

それに、みんなにも見られているってことだよね……

「顔赤くしちゃって。初々しくて可愛い。北斗も、念願叶って万々歳だね」

「とりあえず、おめでとうと言っておく」

そんな言葉を残して、七ちゃんと狭霧は薄情にも先に校舎に入っていった。

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