The Third Time's Lucky
この間の春休みのある日。

七ちゃんが家に泊まりに来た。

その日の夜遅く、わたしがトイレに起きたときだった。

『狭霧……』

ふと、隣の狭霧の部屋から聞こえた声。

「この声、七ちゃん?」

でも、七ちゃんは客間で寝ているはず。

気になって廊下で聞き耳を立てた。

『声、我慢しないで』

『だって、逞さんや霞澄さんに……』

『父さん達の寝室は離れてるから聞こえないって』

『でも、白雪が隣に……』

『姉ちゃんのことだからぐっすり寝てるって』

いや、起きていますけど……

『それに俺、七星の可愛い声聞きたい』

『やっ……そんな言い方ずるい……』

時折聞こえる吐息混じりの声。

これって、まさか……

いわゆる……

「男女の営み……」

知識は一応ある。

友達との話で出てきただけだけど……

狭霧と七ちゃんが……

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