The Third Time's Lucky
信じられなかった、北斗君が『あんなこと』をしたいなんて。

しかもわたしと……

だから聞いた。

「なんで?」

「えっ?」

「なんで、わたしと付き合いたいの?」

「そ、それは……付き合ってるフリをしてほしいんだ」

「フリ?」

「そう。実は結構女子に言い寄られることが多くて困ってるんだ」

「ふうん、俳優も大変なんだね」

「ミーハーなだけならともかく、本気で言い寄る人もいるから大変で」

「わたしは女の子除けってこと?」

「こんなこと頼めるの白雪しかいなくって。迷惑だった?」

「ううん。北斗君が困ってるなら力になりたい」

そうだよね、そういうことなら「付き合いたい」って言ったのも頷ける。

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