同類恋
左手を握りしめる。



当たって砕けろ。

…よし!






「…かむらくん!中村くん!」


周りの人なんて気にしてる場合じゃなかった。

結構なこと大きい声を出したつもり。



でも
中村くんは私を見向きもしない。


ただただ真っ直ぐ前を向いて歩いてくるだけで。



どんどん私との距離が縮まってきたところで、もう一度言ってみる。



「中村くん…!」







−−−スッ…。




私の横を通り過ぎて行った。


どうしてそこまで無視するの?

私は後ろを振り向く。
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