コトノハ 〜この気持ち、何て言うの〜
*
「レイス?起きてる?」
「うん。…おはよ。」
今日は仕事で、
もうそろそろ起きる時間だから、と思って声を掛けてみると、
すぐに返事が返ってきた。
元旦の翌日。
つまり2日。
まだ普通は正月休みなんだけど…、
わたしが所属している宣伝・広告部は、
春に向けた新企画を立ち上げたばかりなので、
いきなり仕事なのだ。
「レイス…、あのね、今日仕事に行かなきゃいけないの。
だから、お留守番、お願い。」
「う、ん。」
レイスはあからさまに悲しそう…。
「一人が寂しいのは分かるんだけど…。
そうだ!ちょっと待っててね!」
気を紛らわせるにはアレがいいんだ!
「じゃあん!ジグソーパズル!」
「じぐそぉ、ぱずる?」
「そう、この箱の絵柄になるように、中のピースを組み合わせて完成させるの。」
パズルって意外と集中できるしね!
「…わかった。これやって待ってる。」
「うん!えっと、ご飯は適当に…できる?」
「たぶん。
チカがやるの見てたから。」
正直不安だらけなんだけど、
仕事しないと生活費がないので…。
「じゃあ、行ってくるね!
なるべく早く帰ってくるから!」
「…うん。」
なんだか、
子犬を捨てていくような気分だぁ…。