コトノハ 〜この気持ち、何て言うの〜








オーナーに会うことになってしまった。


絶対に、
チカから離れたくない。


まだ、
言ってないことがあるんだ…。




「レイス、ここ、オーナーがいるとこ、入るよ。」


チカがコンコンと扉を叩いた。


「は〜い。入って。」


聞き覚えのある関西なまりが聞こえた。


「失礼します。水野です。」


「知香ちゃん。体調は大丈夫か?」


「はい。

 …実は、あの、彼のことなんですが…。」


「知香ちゃんのコレか?」


オーナーは小指を立てて見せた。


「い、いえ!違いますっ。それにっ!それは『彼女』ですっ!」


チカは真っ赤になった。


俺は二人のやり取りの意味がわかず、
なんだか置いてきぼりな気分。


それに想像していたよりも軽い雰囲気で、
なんだか拍子抜け。


「違うんか?つまらんなぁ。

 …じゃあ何なん?」


いよいよ本題。


チカの肩がビクッと動いたのが分かった。


俺は一歩前に出て、
チカをかばうように二人の間に割り込んだ。


「…えっと……レイス?」


俺はチカに振り返って笑顔を見せた。


その前に、
『レイス』という言葉にオーナーの眉がピクッと反応したのは見逃さなかったけど…。



「俺がいうよ。」





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