コトノハ 〜この気持ち、何て言うの〜
*
「ほんならこうしよ。」
結局、
直人さんはあっさりと、
レイスを車として所有しておくことを放棄した。
「レイスはうちがお前を買うのにかかった金額…ええと、500万やったかな?その半額でええわ。
それを返すまで、ウチの会社で働いてもらうわ。
と、いうより普通に雇ってやるから、いつか払ってくれ。
…以上!」
「直人さん!?いいんですか?
…それだけで。」
正直、
あんな格好いい車、
無くなっただけでショックだと思うんだけど…。
やっぱり、
お金持ちだからかな…?
「ああ。ええよ。
そやな、宣伝・広告部の『雑用』っちゅうことにしとくでな。」
雑用って…、
せめて『雑務』とか…。
「それって、チカのいるとこですか!?」
「おお、そやそや。一緒や。」
「ホントですか!?ありがとうごさいますっ!!」
レイスは異様にうれしそうだった。
「別に構へんで。
…面白いもん見られそうやしなぁ。」
直人さんは含みのある笑みを見せた。
「面白い…ですか?」
わたしは思わず尋ねる。
「ああ、将来が楽しみや。
じゃあ、『宣・広部』ちょくちょくのぞくでな。」
「はぁ…?」