コトノハ 〜この気持ち、何て言うの〜







「ほんならこうしよ。」


結局、
直人さんはあっさりと、
レイスを車として所有しておくことを放棄した。


「レイスはうちがお前を買うのにかかった金額…ええと、500万やったかな?その半額でええわ。

 それを返すまで、ウチの会社で働いてもらうわ。

 と、いうより普通に雇ってやるから、いつか払ってくれ。

 …以上!」


「直人さん!?いいんですか?

 …それだけで。」


正直、
あんな格好いい車、
無くなっただけでショックだと思うんだけど…。


やっぱり、
お金持ちだからかな…?


「ああ。ええよ。

 そやな、宣伝・広告部の『雑用』っちゅうことにしとくでな。」

雑用って…、
せめて『雑務』とか…。


「それって、チカのいるとこですか!?」


「おお、そやそや。一緒や。」


「ホントですか!?ありがとうごさいますっ!!」


レイスは異様にうれしそうだった。


「別に構へんで。

 …面白いもん見られそうやしなぁ。」


直人さんは含みのある笑みを見せた。


「面白い…ですか?」


わたしは思わず尋ねる。


「ああ、将来が楽しみや。

 じゃあ、『宣・広部』ちょくちょくのぞくでな。」


「はぁ…?」



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