コトノハ 〜この気持ち、何て言うの〜


レイスが同じ仕事場で働くようになって一週間。


レイスは記憶力がいいし、
素直だから職場で早くも親しまれている。



「ねぇ、レイス君って格好よくない?」


ん?


「カッコいい!見た目ハンサムなのに、子供っぽいっていうギャップがたまんないよねぇ。」


聞いちゃった…。


だって近いんだもん。



そっか、
やっぱりレイスってモテるんだ…。


「でもさ、なんか水野さんと仲良くない?」


…!


「思った!下の名前で呼びあったりしてるし。一体何なの?」


…。


「聞いてみようよ!!

水野さ〜ん。」


「は、はい!!」


どうしようっ。


「水野さんって、レイス君と、どういう関係なの?」


やっぱりっ!


「え、えっと、…ルームメイトというか、何というか…。」


関係って…それしかないよね…。


「ルームメイト!?って同棲?」


「いや…あの……。」


「レイス君と付き合ってるの?」


「ち、違います!」


「付き合ってないのに一緒に住んでるってこと!?」


「あ…。……はい。」


「恋人でもない男と一緒に住むって、どうかしてるんじゃない?」


「…!」



どうかしてる…?


レイスと一緒に住んでるのって…、
おかしいこと…?


恋人…じゃ、ない。


そうだ…。


どうして、
どうして今まで気がつかなかったんだろ…。


『どんな関係?』って聞かれたら、
ほんとは―――『無関係』?



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