コトノハ 〜この気持ち、何て言うの〜
*
俺はオーナーのとこから飛び出して、
全力でチカのとこに駆けた。
「チカっ!!」
「レイス…っ!?」
俺はチカを見た途端に、
チカの両腕をつかんだ。
「…チカ…。聞いて。」
最初は動揺しているみたいだったチカだけど、
俺の目をしっかりと見てくれた。
「この気持ち、何ていうのかわからないけど、聞いて…チカ。」
チカの顔はなぜか悲しそう…。
「…俺、チカがいないとだめなんだ!
チカじゃないと、ダメなんだ!
チカがいいんだ。
チカといっぱい話したいし、チカの笑った顔がいっぱいみたいし、ずっと、ずっとそばにいたい。」
一気に言った。
それから何でか分からないけど、
俺はチカを自分の腕の中に抱き留めた。
「!」
「ずっと、こうやって…ぎゅってしてたいんだ。」
腕の中のチカから、
聞こえないくらいの声で、
『レイス』って聞こえた気がした。
「チカを見てると、俺…、胸が苦しくなるんだ。
心臓がドキドキなって、大変なんだ…。」
俺はチカを抱きながらチカの目を見て笑った。
「…オーナーは、この気持ちはチカにしか教えてもらえないって言ってた。
知りたいんだ。
わからないで、モヤモヤしてるのいやなんだ。
だから…、教えて。」
今度はちゃんと聞こえるようにチカの耳元で言った。
「それを知ったら、ちゃんと伝えたいんだ。
俺の口から、言葉で、チカに…。」
…沈黙が長い。
俺の胸がうるさく鳴っている。
死にそうっ。
このままだと、
心臓がおかしくなって、
死んじゃうんじゃないかな…?