Do it like a dream
父さんの張りつめたような声が、食卓に響く。
その声が俺の鼓膜を震わせた瞬間、足もとから一気にぞわっと鳥肌がたった。
それと同時に、怖いくらいに全身から血の気が引く。
「…嘘でしょ……?」
マグカップに入れた紅茶パックもそっちのけで、母さんは半信半疑でテレビを見つめる。
「なんてこと…」
俺は喉がからからで、声がかすれてでない。
唐突に突きつけられた現状に、父さんも母さんもただ呆然として、2人とも言葉を失った。
誰も何も言えずに、沈黙が続いた。
聞こえるのはテレビの音と、外から聞こえてくるかすかな小鳥のさえずり、ただそれだけだった。