Do it like a dream
手に持っているパンが、向かいに座っている父さんと母さんが、
この瞬間、この空間が――とても遠くのものに感じられた。
学校の先生が死んだ。
驚きと、恐怖。
しかし、俺の膝がテーブルの下でがくがくと小刻みに震えているのには、そのせいではなかった。
ピンポーン。
どのくらいの時間が経ったか、そのうちにインターホンがなった。
「……あ、あいつ来たみたいだから、行ってくるわ。」
早くこの場から居なくなりたかった。
呆然としてる父さんと母さんを食卓に置き去りにして、俺は鞄をつかんで外に飛び出した。