Do it like a dream
ガチャ。
ドアを開けると奴が立っていた。
光に当たって少し茶色っぽい髪の毛を、耳の下で2つ縛りにしている女の子。
俺よりひとまわりくらい小さい。寒かったのか、黄色とオレンジの縞模様のマフラーで口を少し隠している。
「おはよ!お迎えにあがりましたっ☆」
奴とはすなわち、幼馴染の長 奈々である。
幼馴染が家まで迎えに来てくれるという…まあ、小説ではお決まりのパターンである。
奈々とは同じマンションつながりで、親同士が仲がいい。
だから小学生の頃から変わらず、一緒に学校へ行く。
しばらく2人で並んで歩いていると、ときどき肌寒い風がすうっと通り抜けた。
マフラーを持ってくるべきだったかも知れない。
はぁ…。
俺の息が白く曇った。