罪と罰と恋と…
彼女は婚約が決まるとそれまでの思いやりのある彼女と同一人物とは到底考えられない程、我が儘で全てに自分の意見を押し通そうとした。
だから多分…今日も怒鳴られないといけないのかと、かなり気分は重かった。
しかもその夜は塾を出る頃から大粒の雪が降り始めていた。
俺は車を降り、ゆっくりと彼女のマンションのエントランスへ歩きオートロックに鍵を差し込み中へ入る。
エレベーターで5階へ上がり彼女の部屋の鍵を開けると案の定、鍵がかけられていた。