死言数

ATMの前に、見慣れない男が二人いた。
「？」
他に並んでいる様子もない。すぐに使えるだろうと、高を括っていた。しかし、よく見ると男達は普通の格好をしていない。ヘルメットを被り、腰には警棒をぶら下げていた。どうも、ATMに金を入れに来た警備員らしい。
「おかしいな？」
「やっぱり、ダメか・・・。」
何か怪しい雰囲気が漂ってくる。それでも明菜は待ち続けた。
「ここを、こうやればいいんだよな？」
一人の男は、手順書らしきものを持ち、もう一人の男の作業を確認した。
「それで・・・あってるよなぁ・・・。」
首をひねる。