死言数
中は昼間だと言うのに薄暗い。暗幕のようなものを、窓に貼り付けているせいだろう。そして、香のようなものを炊いているのだろう、甘い香りが部屋一面に拡がる。その中に同じく怪しい雰囲気を持った女がいた。黒いベールを被り、その表情をうかがい知る事は出来ない。しかし、ちらりと覗く唇が女がまだ若いと告げていた。
「どんなご用でしょう?」
女は聞いた。
それに口ごもった感じで、客は答える。かなり聞き取りづらい。女は気になった。ただ、ここは呪い屋だ。客がどんな人物か聞くなど御法度だ。それでもここまで怪しい客ははじめてだ。
「どんなご用でしょう?」
女は聞いた。
それに口ごもった感じで、客は答える。かなり聞き取りづらい。女は気になった。ただ、ここは呪い屋だ。客がどんな人物か聞くなど御法度だ。それでもここまで怪しい客ははじめてだ。