死言数
「簡単にできる方法はないのか?」
「簡単にできる方法ですか?」
一瞬、フードの奥から客の目が見えた。魂を鷲掴みにされているようだ。これではどちらが呪い屋かわからない。
「ある事はありますが・・・。これは呪いと呼べるものでは・・・。」
「それで構わない。殺せるんだよな?」
「はい。殺せる(と思います。)でしょう。名は、“ふたつ”と言うものです。古来から言われているものですが、私はやった事はありません。」
あえて口には出さなかった。「殺せると思います。」などと、曖昧な返事をしたらどうなるかわからない。
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