死言数
「ふたつ?」
「はい。なぜ、そう呼ばれているかはわかりません。昔からの呼び名ですから・・・。ただ、確実に殺せるとの事です。」
声が震えないように、気を張りながら答えた。
「やり方はこれを見てください。それ以上の事は・・・何も言えません。」
右手で本棚に入った資料を取った。そして、それを客に渡した。手が小刻みに震えるのは、さすがに押さえる事が出来ず、手に持った資料を落としそうになった。
「そうか・・・。」
それだけ言うと、客はそのまま出ていった。
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