死言数
カタン。
「何?」
心臓が痛くなる。玄関の方に目をやると、見慣れた封筒が見えた。
鼓動は限界まで早くなる。でも、取ってこなければいけない。そんな義務感めいたものが、明菜の心を支配した。
フラフラと歩き、その封筒を手に取った。中にはやはり福沢諭吉と手紙が入っていた。こんなに出会いたくなかった福沢諭吉ははじめてだ。
手紙にはこう書いてあった。
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