死言数
<や、やめて・・・。>
相手を押しのけようとするが、すごい力で振り解けない。掴まれた右手を左右に振る。するとフードが取れた。男だ。
<誰・・・?>
はじめ、誰かわからなかった。しかし、男の吐いた息で誰かを理解した。
「うっ。」
すごい口臭だ。
<前に駅で・・・。>
明菜の記憶に間違いはなかった。痴漢に間違えた相手。あの時の男だ。
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