運命
あたしは軽く朝ご飯をお腹の中へ運ぶと、学校に行く用意を始めた。
着慣れた制服を着て、帽子をかぶり、ランドセルを背負う。
特に鏡の前で髪や服を整えたりすることもなく、あたしは家を出た。
そんなにお金に余裕がないあたし達は、学校の近くの団地に住んでいる。
パタパタと階段をおり、いつものように学校に向かった。
【4-1】
そんな札がかけられた教室の前に立つと、あたしはためらいもなく中に入った。
「月琉ー」
笑顔で手をふりながらこっちに来たのは、陽菜《ハルナ》。
今一番仲がいい友達。
まぁ…
俗に言う“心友”ってやつ。
「今日はちょっと学校来るの遅かったなぁ」
そう言いながら陽菜の後ろから顔をだしたのは、えりちゃん。
陽菜と同じくらい大事な友達。
あたし達3人はいつも一緒にいる。
休み時間も、土日も、授業中だって、目で会話したりしてる。
いつしか、それが当たり前になってた。
そんな平凡な人生をおくるあたしだけど、好きな人だっていないわけじゃない。