今も恋する…記憶
『でも、何でこんな所まで私を連れて来たん!
わからへん人やわ』
店内の明かりも薄暗くて、床にも油が染み、
その独特な匂いは食欲を覚えるようなものではない。
しかし、何故かその店は有名らしい。
新開地のこの場所に衆楽館という、演芸や映画館などの娯楽施設があったのだが
喫茶店は、その頃から在るらしい。
名物はフル-ツサンドイッチだ。
さくらがそれを食べて、菊池はカツライスを食べた。
いまだにその味を覚えている。
その帰り道、二人でまた電車に乗り三宮駅で降りた…
菊池がさくらを自宅まで送ると言い出して、
ついてきたのだ。