今も恋する…記憶

菊池に自分の全てをさらけだしたさくら-


瞬間湯沸かし器みたいに種火が点火されて、

お湯が出るようになったのと同じ…

『その種火は、

もともと、うちの胸の中にあった…埋み火!

この人にはわからへん〃
そやから…又
昔みたいに、うちだけがこの人を片思いしてるん

もしそうやったら…
やめとこ!

今から…わからへん〃』

さくらは、複雑な気持になっているのに、

このまま、菊池とずっと一緒にいたかった…


それから…さくらと菊池は 月に二度デ-トを
するようになった。

さくらは、
月に、二回行われる華道研究会の用事にかこつけ出掛けていた。

「お義母さま- 研究会がありますので また留守をしますが
孝一郎のことを、 よろしくお願いします午後には戻りますから」

いつものように、
さくらはそう言い家を出た。
研究会は嘘ではない。

しかし、午前中には終わっている。

家に帰ろうと、思えば帰れたのだが、

研究会の後、家元との交流会があり、夜になるからと、嘘をついていた。

姑の高子は、何もかも知っていて、知らん顔をしているのかもしれない…

さくらは、
そう、感じている。


しかし、今のさくらは、そんなことは、 もうどうでも良かった。

ただ、菊池に会いたいという…
一途な気持だけだ。


そんなさくらは、大胆な女へと変身していく…


今日も、その研究会が終わると…

サッサと挨拶を済ませ、家元会館を後にしていた。


今日のさくらの洋服のスカ-トには、大胆なスリットが入っている。


妙に色っぽくて、その間からは、白くて少し太めの脚が見え隠れしている…




< 25 / 42 >

この作品をシェア

pagetop