今も恋する…記憶
菊池に自分の全てをさらけだしたさくら-
瞬間湯沸かし器みたいに種火が点火されて、
お湯が出るようになったのと同じ…
『その種火は、
もともと、うちの胸の中にあった…埋み火!
この人にはわからへん〃
そやから…又
昔みたいに、うちだけがこの人を片思いしてるん
もしそうやったら…
やめとこ!
今から…わからへん〃』
さくらは、複雑な気持になっているのに、
このまま、菊池とずっと一緒にいたかった…
それから…さくらと菊池は 月に二度デ-トを
するようになった。
さくらは、
月に、二回行われる華道研究会の用事にかこつけ出掛けていた。
「お義母さま- 研究会がありますので また留守をしますが
孝一郎のことを、 よろしくお願いします午後には戻りますから」
いつものように、
さくらはそう言い家を出た。
研究会は嘘ではない。
しかし、午前中には終わっている。
家に帰ろうと、思えば帰れたのだが、
研究会の後、家元との交流会があり、夜になるからと、嘘をついていた。
姑の高子は、何もかも知っていて、知らん顔をしているのかもしれない…
さくらは、
そう、感じている。
しかし、今のさくらは、そんなことは、 もうどうでも良かった。
ただ、菊池に会いたいという…
一途な気持だけだ。
そんなさくらは、大胆な女へと変身していく…
今日も、その研究会が終わると…
サッサと挨拶を済ませ、家元会館を後にしていた。
今日のさくらの洋服のスカ-トには、大胆なスリットが入っている。
妙に色っぽくて、その間からは、白くて少し太めの脚が見え隠れしている…