今も恋する…記憶
「母さん、気がついた〃わかる〃
僕だよ、孝一郎だよ〃」
「孝一郎、どうしたの〃どうして、ここにいるの帰ったはずでしょ…」
「母さんが、倒れたって聞いて、飛んで来たんだ
良かった。
気がついてくれて…」
「私、倒れてたん〃」
どうにか、口は動いたが、 さくらは、訳がわからない。
「そうだよ!
新神戸の駅のベンチに 倒れていたんだよ〃」
ここは、青谷の病院だよ救急車で運ばれたんだ…
伯母さんが、
そう、言ってた…」
さくらは、いま自分が置かれている状況が、
だんだんとわかってきた…
夢から覚めたのだ-
「それで、この病院に いるのね…」
友利子が来てくれたらしいさくらの妹だ-
「母さんが、何かあった時 の連絡先にと、
財布の中にメモを入れていたから
良かったんだ〃」
「孝ちゃんは、北海道に いて、すぐには〃
来てもらえないからね」
さくらのすぐ下の妹が、連絡を受けて、
駆け付けてくれたようだ。
『妹は一人暮らしのうちを いつも、
心配してくれてたん
ありがとう-』
さくらはどうしても
妹に会わなくてはと…
せつない思いがわいていた