今も恋する…記憶
再会
やがて、電車はホ-ムに着いた。
菊池は、岡山から
この電車に乗ったはずだ。
さくらは、大阪からの電車でやって来た。
そして、電車は去り、乗客たちが階段を降り、改札口へと向かって行った…
人気の無いホ-ムに、
たった一人、取り残されたように男が立っている。
その男はじっと、さくらを見ている…
『あっ、あのひとやわ!
相変わらず背の高い
人やなあ-』
『さくら、近付いて
いかんでもいいん〃
ええんよ、じっと、
してたらええのん〃』
『何、ぐずぐずしてるん はよう行き〃』
もう一人のさくらの声がしていた。
しかし、立ち上がり
一歩でも近付こうとするのだが、足がいうことを聞かない。
すると、その時、
その男が手を振りかざし…
「さくらちゃ-ん〃」
叫んでいるその声には聞き覚えがあった。
ず-と、昔にはこう呼ばれていたん…
『こんな、おばあさんに なってるのに、
さくらちゃんやて…
よう言うわ〃』
でも、さくらの目には、もう涙が溢れている…
その懐かしい声につられてさくらは立ち上がり、
一歩一歩、その男に近付いていた。
やっと、その男の人の前に来たんです。
懐かしい…お人の前に立ちました。
目の涙は溢れて頬を
つたって流れました。
ただ…立ち尽くして
じっと、見つめていました。
会いとうて、
会いとうて、夢でしか会えへんかった。
その…お人に会えたんです。
『ほんまに、会えて良かった。
生きててくれはって
ほんまに良かった-』
「さくら、ありがとう!
待っててくれて、
ありがとう!」
菊池は、岡山から
この電車に乗ったはずだ。
さくらは、大阪からの電車でやって来た。
そして、電車は去り、乗客たちが階段を降り、改札口へと向かって行った…
人気の無いホ-ムに、
たった一人、取り残されたように男が立っている。
その男はじっと、さくらを見ている…
『あっ、あのひとやわ!
相変わらず背の高い
人やなあ-』
『さくら、近付いて
いかんでもいいん〃
ええんよ、じっと、
してたらええのん〃』
『何、ぐずぐずしてるん はよう行き〃』
もう一人のさくらの声がしていた。
しかし、立ち上がり
一歩でも近付こうとするのだが、足がいうことを聞かない。
すると、その時、
その男が手を振りかざし…
「さくらちゃ-ん〃」
叫んでいるその声には聞き覚えがあった。
ず-と、昔にはこう呼ばれていたん…
『こんな、おばあさんに なってるのに、
さくらちゃんやて…
よう言うわ〃』
でも、さくらの目には、もう涙が溢れている…
その懐かしい声につられてさくらは立ち上がり、
一歩一歩、その男に近付いていた。
やっと、その男の人の前に来たんです。
懐かしい…お人の前に立ちました。
目の涙は溢れて頬を
つたって流れました。
ただ…立ち尽くして
じっと、見つめていました。
会いとうて、
会いとうて、夢でしか会えへんかった。
その…お人に会えたんです。
『ほんまに、会えて良かった。
生きててくれはって
ほんまに良かった-』
「さくら、ありがとう!
待っててくれて、
ありがとう!」