今も恋する…記憶
そんなんでしたから、
結局菊池のことを忘れることができず………


自分の胸の奥には………いつまでも…菊池の面影を追う姿が貼り付いてた。

だから、毎日を忙しくして思いださないようにしていた…

その頃、流派の花展を開くことになり…


その場所が大阪市内のデパートに決まった…


さくらは師匠の家元の高弟の教授、兄弟弟子たち5人と共に、準備のための下見をすることになり…


心斎橋にあるデパートへ行くことになった。


さくら達は一泊することにして、大阪駅前のホテルを予約し…


総勢6人神戸の家元の稽古場に集合し、大阪へ向った。


そして、下見が済むと、今度は市内にある新聞社を訪問していた。


その新聞社の本社は神戸にあり………
大阪は支局であった。


本町の大きなビルの中にあり、3階にあるという、支局を訪れていた。


さくら達はその新聞社の文化部の部長に挨拶をするためにきたのだ。


挨拶が済むと、その後さくら達は、その部長との雑談に花を咲かせていたのだが…

途中に、その部長が誰かに電話した………


「皆さん、今担当の記者を呼んでおりますので、少しお待ちください」


しばらくすると、通路のむこうから長身の男が歩いてくるのが見えた。


それを見たさくらは、目が点になっていた。


見覚えのある姿だ。

それはまぎれもなく菊池の姿だ。


さくらの胸は踊り、激しく波打っていた。


『あのひとやわ!
どないしよう。

こんな所で会うなんて…

どうしたらええのん…
わからへん〃』


「すみません!
遅くなってしまって申し訳ないです」


笑顔を振りまきながら、近付いて来る。


しかし、さくらは気が気では無かった。


「菊池君、この方達が、松古流の先生方です。

今回の花展が成功されるようにいろいろと力になってあげてください」


「わかりました。部長〃全力で応援しますから」


菊池は笑顔で応えている。

その様子を見ていたさくら…
身の置き所がなくなり後退りしていた。






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