歩き続けて
1章ー2009年/記憶
「あの、早川先生。うちの子はどうなってしまうんですか。何という病気なんですか。もう心配で心配で」
僕は出来るだけ冷静になろうとした。

「お母様、よく聞いて下さい。先日行った明日香さんの血液検査の結果が出ました。通常、白血球の値というのは7000〜7500というのが正常です、しかし…」

「どういうことだよ!」


「お父様、落ち着いて下さい。明日香さんの値は15000と非常に高いです。これは血液中に悪性のガン細胞が異常発生したことを示しています」

「ということは………?」

「非常に申し上げにくいことですが……明日香さんは急性リンパ性白血病です。」

一瞬、時が止まったような気がした

「嘘でしょ?何でうちの子が!明日香はいい子よ!何も悪くないのよ!何で!何でなの!」

このような時が一番辛い

「お気持ちはよくわかります。…まだ明日香さんは若いですから病気の進行は早いです。ですが一昔前とは違い、治療を続けば治る病気なんです。私が主治医です、一緒に頑張りましょう。」

それは、自分に言い聞かせている様でもあった

「気持ちが分かるって……!!そんなこと……!」



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