歩き続けて
「誠……!誠!」

「あ、悪い。何でここが分かった?」

良がやってくる。

この病院の屋上は様々な人の憩いの場になっている

そして、僕らのたまり場でもある

「お前の行動は読めるんだよ。いつも考え事があるとこの屋上にくる。」

「そうか、その通りだ。」
「今は考えていることも分かる。」

「お前すげぇな、お見通しか。実は……」

「言わなくていいよ」

やっぱり良には嘘がつけない

「でもさ、お前もつらいなぁ。何でよりによって…でも、医者だからな。治療するのが仕事とはいっても…」

「ありがとう。でも俺はこの仕事を全うするつもりだ。それが俺の使命っつうか……やんなきゃならねぇっつうか…」

「やっぱりそうだよな。そうじゃなきゃお前じゃない。……昔から変わってないな」

「え?」

「いや、ばかみたいにまっすぐっていうか。責任感強いっていうか…でも、」

「何か?」

「この仕事を引き受けるってことは今以上に忙しくなるってこと。」

「…それは…分かってる」
「な、覚悟しているよな」


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