歩き続けて
僕は顔がニヤニヤしていたのだろうか。

「あら、誠くん。どうしたのかな!早く帰るみたいだけど。……あ、早番なのをいいことに会うのか?ま・さ・か!」


良に勘づかれてしまった。まあいっか。


「図星、図星。」


顔が緩んでるぞ!自分!


「そっか。それはいいけど、帰る前に一応春風さんの所には顔出しておいたら?挨拶ね。」


「おう、分かった。じゃあ今夜よろしくな。でも何かあったら電話してくれ。」

いくら彼女とのデートだからといってもこれは医者の使命だ。


「分かった。じゃあ、せいぜい楽しんでくることだな。」


同僚のナースに挨拶をして診察室を後にした。

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