eternal love...
コウくんが入院した。
そう聞いたのは、冬を目前に控えたとても寒い日のこと。
朝目が覚めて、いつも通り家を出た私は、突然呼び止められて振り返った。
「晃太、病気で入院することになったの。」
そう言って俯いたのは、コウくんのお母さんのまみさん。
40目前とは思えない程若くて美人だ。
髪は捲かないと外には出れない。
いつもいつもそう言っている程のオシャレさんのまみさんなのに、今日はメイクさえしていない。
目の下には薄らと隈ができていて、髪は適当に後ろで一つにまとめていた。
そんな彼女を前にして、私は唖然と立ち尽くした。
入院って?
病気って何…?
コウくんは、そんなに悪いの…?
頭の中ではそんな疑問ばかりが渦巻いて、私を混乱させた。
コウくんはどうなっちゃうの?
すぐ退院できるんだよね?
そう聞いて確かめたいのに、口が震えて声がでない。
“じゃあ、行くね”
そう言って車に乗り込んだ彼女の後ろ姿を、私はしばらく見つめていた。