eternal love...





コウくんが入院した。


そう聞いたのは、冬を目前に控えたとても寒い日のこと。




朝目が覚めて、いつも通り家を出た私は、突然呼び止められて振り返った。


「晃太、病気で入院することになったの。」


そう言って俯いたのは、コウくんのお母さんのまみさん。


40目前とは思えない程若くて美人だ。


髪は捲かないと外には出れない。


いつもいつもそう言っている程のオシャレさんのまみさんなのに、今日はメイクさえしていない。


目の下には薄らと隈ができていて、髪は適当に後ろで一つにまとめていた。


そんな彼女を前にして、私は唖然と立ち尽くした。



入院って?


病気って何…?


コウくんは、そんなに悪いの…?


頭の中ではそんな疑問ばかりが渦巻いて、私を混乱させた。


コウくんはどうなっちゃうの?


すぐ退院できるんだよね?


そう聞いて確かめたいのに、口が震えて声がでない。




“じゃあ、行くね”


そう言って車に乗り込んだ彼女の後ろ姿を、私はしばらく見つめていた。






< 7 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop