きゃっちぼーる
「君は幽霊かい?」

 鏡が言った。確かめるように。  

「あぁ、幽霊だ」

 一哉は答えた。正直に。

 隠しても仕方ない。もうばれている。

「私も幽霊だよ。いてもいない。見えるけど、見えない存在」




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