きゃっちぼーる
「おい、この女、何にもねぇところに助け求めだしたぜ。手ぇ伸ばしてんぜ、きめぇー」

「うっわー。まじやべぇ。こいつ、まじ、いっちゃってる」

 一哉は拳を握り、殺意をふくらましていく。

 空間が、赤から薄暗い青に変わっていく。

 少年たちには、その変化は見えていない。

 見えるのは、一哉と鏡だけ。







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