きゃっちぼーる
「おい、地震? まじ?」

 ふと、赤髪が周囲を見回しながら言った。

 一哉の震えが大きくなるほど、隅にある平均台の揺れる音が激しくなる。

 天井のほこりが、ドレッドの背中に、ピアスの髪に落ちる。

 殺してやる。絶対に。絶対に。

 こんなやつら、生きている価値なんてない。

 一哉はドレッドの腕をつかむと、無造作に自分の背後へ放り投げた。

「はぁ? ぐっ、ぐえっ」

 ドレッドは宙を飛ぶと壁にぶち当たり、まぬけな声を出してはね返り、バレーボールの入ったカゴの上へ落ちた。

 ドレッドの口から泡が吹き出たあと、耳から血が垂れた。






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