きゃっちぼーる
 今度、一哉はピアスの脇に行き、その両耳をつまんで一気に引っ張った。

 ピアスの両耳が根元から千切れた。

「ぐがぎゃぁぁぁ!」

 ピアスが耳を手で抑えうずくまる。抑えた手と顔の間から、血が流れた。

「あ、あなた……なっ、なにを……」

 一哉は耳に恵の声が飛び込んで来たのと同時に、我に返った。 




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