きゃっちぼーる
 ライトをつけた車の列が道路を伸び、そこからクラクションやエンジン音が風と共に流れて来る。

 ビルや住宅の窓からも明かりがつき、町全体が、金粉を舞い散らせたように輝いている。

 夕焼けの中に埋もれる街、その向こうの山に向かい、カラスの群れが鳴きながら飛んでいく。 

 一哉は銀色の瞳を細めて頭上を見た。








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