きゃっちぼーる
「いつでもいいよぉ。来なさい」

 鏡は一哉から離れると振り返り、両手を上げながら言った。

「そんじゃ投げるよぉ」

 一哉は鏡に向かい、ボールを投げた。

 ゆるい放物線を描きながら、ボールは飛んでいく。

「おーらい、おーらい」

 鏡は前後ろによろめきながら、ボールを追い、そして、しっかりとつかんだ!



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