お姫様の作り方

扉越しの会話

気がつくとあたしの部屋の前に立っていた。

どうやら無事部屋にたどり着いたようだ。

珍しいこともあるようだ。


中に入り扉の前に座り込む。

邪魔だったウイッグを取り放り投げる。

きっと今のあたしは、涙でぐしゃぐしゃで見るも無残な顔をしているんだろうな

頭の片隅でそんなことを考える反面

本当に考えているのはそんなことではない。


本当に考えたいことは・・・・


そんなことを思っていると、


ドドドドドド


そんな音を立てながら何かがこっちに向かってきている。


ドドドドドド


音はドンドン大きくなっている。


どうやら急速にこちらに近づいてきているようだ。


そうしてこの部屋の前でピタっと音が止まる。


どうやら、この部屋の前にいるようだ。


けれど誰?誰がこの部屋の前にいるの?
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