お姫様の作り方
中に入ってきたシオンは入ってくるなり、

ため息をつき座り込んだ。

そして


「あいつ等が来たのかと思った」


と意味不明の言葉を言い出した。


そしてあたしのほうに向き直り、


「お前、雷が怖いのか?」


といきなり悲鳴をあげた理由をピンポイントで当ててきた。

当てられた恥ずかしさによりあたしの顔は、真っ赤になる。

赤くなった顔を隠すためにあたしはついつい


「別に怖くないわ!」


と憎まれ口を叩く。


我ながら可愛くないとは思うが、そんなこと元から可愛くないんだからいまさらなんとも思わない。


予想道理


「可愛くねー」

と返事が返ってきた。


シオンは中に以上がないということがわかったら、部屋から出てどこかにいってしまった。


部屋を出る前に一言小声で何かを言って。


あいにくその言葉は、雨と雷の音でかき消され私の耳にまで届かなかったけれど。


結局、最後の最後までシオンが何をしに来たのかは、わからなかった。
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