いちえ
「ちょっとだけ…心配してくれたりしたの?」
私の言葉に瑠衣斗は少し照れたように、頭をガシガシとかく。
「…さあね」
これ以上は何も答えないと言わんばかりに、瑠衣斗はそれっきり口を閉ざしてしまう。
息を吐き出すように小さく答えた瑠衣斗に、私は現金にも頬が緩むのが分かる。
そんな瑠衣斗に、私は慌てて再び口を開く。
「ねえ、るぅとジュリって、何で仲良くなったの?」
「え…」
素直に疑問に思った事を伝えると、何故か瑠衣斗が戸惑うように目を軽く見開く。
ん?なに??
「…いや、まあ…」
「ん?」
言葉を濁す瑠衣斗に、私は疑問符が頭に浮かぶ。
何か言いにくそうな様子に、私は首を傾げた。
そんな私に向かって、チラリと横目で一瞬目を向けると、すぐに前にむき直してしまう。
唇を結んだ瑠衣斗に対して、私は疑問に眉間に皺が寄る。
何か…変。
そう思う私に向かい、目を合わせないまま瑠衣斗が口を開ける。
「うぅ〜ん…あいつが俺に片思い?」
「いやそこ何で疑問系なの」
ちっともハッキリしない瑠衣斗に対して、何だか脱力してしまい、呆れるように息を吐いた。
そもそも、あんなに仲が悪い雰囲気から、何故ジュリの片思いが始まるのだろうか。
半ばどうでも良くなってきてしまい、そんな意味も込めて溜め息を吐いた。
男同士の友情…?って、よく分からないなぁ。