いちえ
「どーする?これから」
「とりあえず、るぅの地元でも案内しろよ」
やっとの事で2人を何とか起こし、用意されてあった朝食を済ませた龍雅と宗太と共に、居間でくつろいでいる。
一口煙草を口にした瑠衣斗は、天井に向けて何かを考えるようにして煙を吐き出した。
「…ん〜…そう言うけど何もねえよ?」
こうしてずっと家の中に居ても、いつもと変わらない。
せっかくここまで来た事だし、外に出なきゃ勿体無い。
ぼんやりとそんな事を考えていた私に、ふいに瑠衣斗が私に顔を向ける。
「眠くねえ?大丈夫か?」
「え?…うん、大丈夫だけど」
多分、朝が早かったからそんな事を言ったのだろう。
何となく少しだけどぎまぎして、ちょっとだけ気にかけてくれてる事が嬉しい。
「そうか。ならいい」
そんな言葉に、頬が緩みそうになり、口を噤む。
「何だよ〜!!やらしいなお前ら〜!!!!」
「…何もやらしくねえし……」
呆れたように龍雅に向かって言う瑠衣斗は、本当に迷惑そうな顔を龍雅に向け、対して龍雅は本当にいやらしい顔をしている。
そんな2人に宗太は苦笑いしながら、ペシッと龍雅の頭を叩いた。
何というか…朝からよくこんなテンションでいられるものだ。