いちえ



るぅと同級生?

と、言う事は……。



同級生と言うフレーズに、心なしか興味が湧く。


会ってみたいと思う自分が居るが、でもそれは、ただ単に瑠衣斗の地元での事を知りたいと思ったのだ。


「大輔かよ…やめてよおばちゃん」


「大輔じゃなかったら良いの〜?」


「違う!!誰でもダメ」


何だか瑠衣斗が遊ばれている様子に、顔が緩む。



このおばさん、るぅの同級生のお母さんなんだ〜。


私が何か言うまでもなく、勝手に進む話に言葉を挟む隙もない。


相変わらず、店内に居るお客さんと雑談を交わす宗太と龍雅は、すっかりと溶け込み馴染んでしまっている。


何だかすごい場所へと来てしまったようで、また、瑠衣斗の顔の広さにも驚かされた。



「ダメよおばさん、私がももちゃんに紹介したい人居るし!!」


「えぇ〜そうなの〜?じゃあ、両方に会ってみればいいじゃない!!」


私の意見も何もないまま、進む話に苦笑いした。


どうしよう…本当に会ったりするのかな?


だったら……るぅも一緒がいいんだけどなぁ。



とも言えず、私は苦笑いしたまま何も言えずにいた。




「だーかーらー!!こいつは俺とずっと一緒に居るから、会わねーし紹介も受けねえよ」



顔を少しだけ高揚させた瑠衣斗に、思わず釘付けになる。


えっ、えっ、ちょっ…えっ?



「ももちゃんを独り占めする気〜?」



そんな由良さんのセリフに、私は顔から汗が噴き出すようだった。
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