いちえ



考えなかった訳ではないけれど、やっぱりるぅは女の子に慣れてるのかな。


それなりに、恋愛だって沢山してきたのかな……。



ふと考えた事が、自分で自分を落ち込ませる。


付き合ってる訳でもないし、そんな図々しい事なんて聞いたらやらしいだろうし。



そんな事を考えていた私は、ふと瑠衣斗からの返事がない事に顔を向けた。



うつ伏せになるような体勢で、枕に乗せた腕に顔を乗せ、顔だけ私の方へ向けられている。


でもその視線は、絡む事はない。


少し伏せられた瞳からは、何も読み取る事ができない。



「…ちゃんと考えてるのか?」


「ん…?考える……??」


「…約束だよ。約束」



約束…。考えても、思いつかないままだ。


必死に記憶を遡らせても、答えは結局出ていないままだ。



「考える…けど、やっぱり分かんないよ」


「…ホントに意地悪だな」


「え!?」



バッチリと私を捉えた瞳は、そらそうにもそらせない。


小さな光さえも、その瞳に集まるようにキラキラと輝いてすら見えるから不思議だ。



胸が再びドキドキと鼓動するのがバレそうな気がして、私は慌てて口を開けた。


「ヒント!!ヒントちょうだい?」


本当に私、免疫なさすぎだよ。

って、るぅにだけなのかな?
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