いちえ
「すき……」
一つ一つの単語のように、ポツリと私の口から漏れた言葉に、今度こそ瑠衣斗が驚いたように目を見開く。
あれ…?私、何言っちゃったんだろう。
きっとるぅは困るだけなのに。
どうしよう慶兄……。
私、何も頑張ってないのに、突っ走っちゃったみたい。
いつの間にか治まっていた頭の痛さに代わり、何だかふわふわとした感覚に包まれる。
詰まっていた物が吐き出されたような、そんな感じ。
一気に流れが良くなったせいで、息がしやすくなったみたいだ。
「もも……おま…今…」
私…そう言えば…すきって……。
好きって…言った。
!?
どうしよう!?
るぅがごめんって言って、居なくなったらどうしよう!!!
「ちが…!!あ、え?違くな…いや違う!!じゃなくて!!あの…えと…」
ビックリしているであろう瑠衣斗を余所に、急に焦りだした私は、自分を抑える事なんてできない。
私何言ってんの!?どうしちゃったのよ!?
「ダメ!!居なくなっちゃいやだよ!?」
どうしよう!!好きって言っちゃった!!!
「わ、私の事は気にしなくていいから!!だ、だから…友達で…いて……」