いちえ
一体るぅ達は…何歳なんだろう。
ギャアギャアと、水浴び大会を始めてしまった2人を後目に、頬が緩む。
なんだかんだ言って、結局は龍雅と川遊びを楽しんでいるようにも見える。
「あ〜!!俊ちゃん宗ちゃん釣れた!!釣れたぁぁぁ!!」
「お、美春は大量だな〜」
「待て美春、竿動かすな」
私と慶兄、そして瑠衣斗と龍雅4人で、バーベキューの用意をし、美春と俊と宗太は、川魚を釣りで調達している所だ。
もちろん、じっとしていられない龍雅が、瑠衣斗にちょっかいを出し、川へ瑠衣斗を落としたに違いない。
どうせなら、水着持ってこれば良かったなあ〜…なんて思った所で、水着を一着も持っていない事に気付く。
うん…年頃の女の子として、どうなんだろう。
でも、そう思った所で、ふとある事に気が付く。
最後に水着を着たのって、いつだろう?
そう言えば、みんなと海に泳ぎに行ったり、プールに行ったりとか…した事がない。
「ねえ、慶兄って、海とか泳ぎに行ったりとかしないの?」
「俺?うーん…運動するためにジムで泳いだりはするけど」
火をおこす手を止めずに、慶兄が考えるようにして答える。
相変わらず器用な手先には、見とれてしまう物がある。
「夏に海とか川とか…プールとか」
「そんなはしゃぐ歳じゃないよ」
「え?そう?」
「そうそう。もも達ぐらいの時は、よく大学の仲間に連れ出されたけどな」