いちえ



ねぇ…お母さん。



美春のおばさんは、私を本当の姉妹みたいだって言っていたけど、お母さんは?


美春の事、どう思ってた?



おばさんは、私まで結婚してしまうみたいでって言って、泣いてたよ。



お母さんは、私をちゃんと見ていてくれたの?



私は、ちゃんと愛されてた?





「はいっ!!では、本日はありがとーございました〜!!新郎新婦の退場でーす!!」



龍雅のセリフに、宗太がポツリと「もう退場させんのか」と言うが、もう止める事もできなかったらしい。



拍手と歓声に見送られながら、美春と俊ちゃんは、テーブルの前まで出て、二人で一度目を会わせると、ニッコリ笑って頭を下げた。


俊ちゃんは、えくぼを作って頭を下げ、対して美春もとびきりの笑顔で頭を下げた。



顔を上げると同時に、美春が私に視線を向けた。



……ん?と思っていると、いきなり美春が大きく振りかぶってみせた。


「へっ!?な、何!?」


「ももー!!いっくよ〜〜!!




そう言って大きく振りかぶって手から放たれたモノは、弧を描くように綺麗に宙を舞い、受け取らなきゃと慌てて伸ばした私の腕への中へと落ちた。


「次はももねー!!」


「…え!?」



ふんわりと香る生花の香りが、私の腕の中から香りを放つ。



受け取ったブーケに驚いていると、周りから盛大な拍手が沸き起こった。



私はまだ無理でしょお〜……。

なんて思ったけど言わない方が無難だ。



恥ずかしさで顔が熱くなるようで、ブーケに顔を埋めるように俯いた。
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