いちえ
隣に座る慶兄の反応が気になり、顔を上げる事ができない。
やっぱり、付き合っているんだし、慶兄だっていつでも結婚してもいい歳だと思う。
そう言う事、考えてたりするんだろうか。
いきなり落とされた美春の爆弾に、異常に反応してしまった。
お願いだからもう触れないでぇ!!
「もも照れすぎ」
そんな私の願いも虚しく、あっけなく瑠衣斗に声を掛けられてしまった。
んっとにコイツはタイミング悪い奴だなぁ〜!!!!
ジッと睨み付けてみるが、瑠衣斗はいやらしく笑みを浮かべたまま私を見下ろすだけだ。
既に美春と俊ちゃんは、みんなから声を掛けられながら退場してしまった後で、ザワザワと席を立つ音や話し声が聞こえる。
「う、うるさいっ」
「へいへい」
もぉ!!やめてよ!!
あんまり変に反応したら、本当に慶兄の事見れないじゃん。
下手に反発しても、慶兄にが嫌な気分になってしまいそうで……。
「もものウエディングドレス姿、見てみたいなあ」
「へぇっ?」
慶兄の、のんびりとしたようなのほほんとした声に、動揺して可笑しな返事をしてしまった。
「きっと、めちゃくちゃ綺麗なんだろうな」
「……ど、どうも」
ニッコリ笑って言う慶兄に、顔がカァッと熱くなっていく。
そうやってサラリと言ってしまう当たり、本気のようで反応し辛い。
「まじで照れすぎ」
「!?」
慶兄までそんな事言って〜!!